【11月14日 AFP】世界最高峰のエベレスト(Mount Everest)に設置された携帯電話基地局が試運転に成功した。これにより、山頂からの通話やメール受送信が可能になる。14日の中国国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が伝えた。

 世界で最も高い標高6500メートル地点への基地局の設置には、2008年の北京五輪でエベレストの山頂に聖火を運ぶ聖火ランナーの通信を助ける目的もあるという。

 国営新華社通信(Xinhua news agency)によると、厳しいチベットの冬に備え、基地局の主要設備は試験後直ちに撤去され、2008年5月の聖火到着に間に合うように再度設置される。

 基地局を運営する同国携帯電話最大手の中国移動通信集団(China Mobile)の統括管理者Wang Jianzhou氏の話として新華社通信が伝えたところによると、酸素濃度が海抜ゼロ地帯の38%しかない地点での基地局設置は「非常に難しかった」という。

 同社のチベット子会社Tibet Mobileによると、五輪後の基地局運営期間は、登山活動や科学調査に合わせて決められるという。

 新華社通信によると、中国移動通信集団はこれより先、エベレストのもっと標高の低い位置に2つの基地局を設置しているが、新たな基地局により、山頂までの全ルートでの通信がカバーされることになる。

 これまで山頂を目指す登山家は、衛星電話に頼らざるを得なかった。(c)AFP