【11月13日 AFP】UFO(未確認飛行物体)は冗談とSFの中の話だけにしておけないかもしれない。元航空関係者のグループが12日、米政府に対しUFOについての調査を再開するように申し入れた。

 このグループは、自分の目でUFOを目撃したか、その調査に関わった元パイロットや元政府関係者など19人で構成され、米国での調査が終了して以来30年以上も、自分たちの疑問は放置されたままになっていると主張している。

 1997年にUFOを目撃したという元空軍パイロットでアリゾナ(Arizona)州知事も務めたシミントン(Fife Symington)氏は、「われわれは、すべてのUFOの事例は常識的で型にはまった言葉で言い逃れができると米国政府が信じる神話に終止符を打ちたい」と語る。

 また、同グループの元エールフランス(Air France)のパイロットは、1994年に仏ニース(Nice)-英ロンドン(London)間のフライトで飛行する巨大な円盤を目撃したという。さらに、あるイラン人パイロットは1976年、UFOを撃墜しようとして失敗したと語った。

 1987年にアラスカ(Alaska)上空で目撃されたUFOの調査を主張した米連邦航空局(Federal Aviation AdministrationFAA)の元職員には、局内から厳しい反応が返ってきたという。シミントン氏は「『UFOなんて誰が信じるんだ』。これがFAAのいつもの対応さ」と語る。

 一方で、同氏は「米中央情報局(Central Intelligence AgencyCIA)の人間にそのことを話したら『それはUFOじゃないか』とまじめに取り合ってくれたよ」とも指摘する。そこで同氏が米政府は全ての国民にUFOに関する情報を公開すべきだと提案したとき、CIA関係者は「冗談じゃない。UFOの存在を発表したら、国民はパニックになってしまう」と語ったという。
  
 米民主党デニス・クシニッチ(Dennis Kucinich)下院議員がUFOを見たと語るなど、最近では米大統領候補者の討論会でもUFOに関する話題が取り上げられている。(c)AFP