【11月1日 AFP】世界最高峰のエベレスト山(Mount Everest、標高8848メートル)で登山装備などの盗難が相次いだことから、中国の山岳当局が防犯のため標高6600メートルの地点に係官を配備し、捜査やパトロールを行うことになった。当局者が31日、明らかにした。
  
 今年のシーズンは過去最高の520人がエベレスト頂上を制覇したが、盗難被害の届け出も相次いだ。登山隊の酸素ボンベ、食糧、燃料といった装備が盗まれたとの届け出があり、高山を専門に狙う泥棒の仕業だとみられている。

「ここ数年、登山ブームが続いているため、こうした被害が起きないよう管理を強化したい」と中国チベット登山協会(China Tibet Mountaineering Association)の担当官は話す。「間違って他人の持ち物を持って行っただけの場合がほとんどだ」としながらも、「現地で最善を尽くして捜査する必要がある」と語った。

 ネパール登山協会(Nepal Mountaineering Association)のアンツェリン・シェルパ(Ang Tshering Sherpa)会長によると、中国当局は2008年春のシーズンから、アドバンス・ベースキャンプ(ABC)に係官1人を配備することに同意。係官は、盗難の届け出があれば捜査したり、容疑者を捜索する権限を持つという。

 エベレスト登山には、南側のネパールから山頂を目指すルートと北側のチベットから登頂するルートがあるが、ネパール側ルートでは盗難被害の届け出がないため、治安担当官を配置する計画はないという。(c)AFP