【10月26日 AFP】現在は中東和平4者協議(Middle East Quartet)の特使を務めるトニー・ブレア(Tony Blair)英前首相の回顧録が発売される。同元首相と出版契約を交わした出版社ランダムハウス(Random House)が25日、明らかにした。

 ブレア前首相の執筆料は明らかにされていないが、数百万ポンドではないかとみられる。刊行日は未定。

「わたしの回顧録は、真剣で、思慮深く、そしておもしろく、議員そして首相だった10年間を振り返るものになると思います」と、ブレア元首相は語っている。

 ランダムハウスは7月にも、ブレア前首相の元報道担当補佐官だったアリスター・キャンベル(Alastair Campbell)氏の回顧録を出版したが、同回顧録ではブレア前首相と当時の財務相だったゴードン・ブラウン(Gordon Brown)現首相の確執についての詳しい記述がなく、批判の声が上がっていた。

 ブレア前首相とブラウン現首相は、どちらも1983年に議員に初当選した友人同士。ともに労働党(Labour Party)を改革、1997年の総選挙での圧勝へと導いたが、1994年の「約束」が守られなかったため、2人の仲は悪化していったとされる。その約束とは、「ブラウン首相が労働党党首としてのブレア前首相を支え、労働党が政権を取れば、ブレア前首相がブラウン首相のために身を引くというものだった」と、これまで繰り返し報じられてきたが、これが真実だという裏付けはなされていない。

 PA通信社は、匿名の情報筋の話として、2年以内にブレア前首相の回顧録が出版されることはなく、次の総選挙後に発表されるのであれば、その間にブラウン首相との関係について詳細が語られる可能性もあると伝えた。

 ランダムハウスのGail Rebuck氏はトニー・ブレアの回顧録の出版に関して、「彼は素晴らしい首相であり、回顧録も素晴らしいものになるでしょう。今回の出版は、われわれにとって光栄なことです」と語っている。(c)AFP