【10月25日 AFP】シャンパンにキャビア、そして期待に胸躍らせた世界各地からの旅行客を乗せて、世界最大の超大型旅客機、エアバス(Airbus)A380の商業運航第1便が25日、シンガポールからオーストラリアのシドニー(Sydney)に向けて離陸した。

 A380の機体は総2階建てで、850席以上の配置が可能。航空史の常識を大きく越えるゆとりある空間となっている。

 初飛行の搭乗券は、ネット上のチャリティーオークションで販売された。就航は数か月遅れ、開発費も数十億ドルの超過となったが、中には10万ドル(約1140万円)を投じて搭乗券を入手した客もいるという。

 エアバスA380を最初に商業飛行させることになったシンガポール航空(Singapore Airlines)では乗客全員に対し、シャンパン付きのブランチを提供した。興奮した乗客が写真を撮る傍らで、招待された報道陣が機内の様子を取材した。

 A380は片方の翼で自動車72台分の大きさがあるほどの超大型機。最高853人を輸送できるが、シンガポール航空は席数を471席までにとどめ、より贅沢な作りにしている。

 シンガポール航空の販売戦略の核は、引き戸で仕切られた12室の個室「スイート」。フランスのデザイナー、ジバンシー(Givenchy)の寝具を採用したフルサイズのベッドや最新の液晶テレビが備わっている。(c)AFP/Bernice Han