人食いライオンの毛皮、故郷ケニアへ返却されず
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【9月21日 AFP】シカゴ(Chicago)にあるフィールド博物館(Field Museum)は、ケニア政府が返還を求めた同博物館所蔵の人食いライオン2頭の毛皮などをケニアに戻す予定がないことを明らかにした。シカゴ・サン・タイムズ(Chicago Sun-Times)紙が20日、同博物館のジョン・マッカーター(John McCarter)館長の談話として伝えた。理由は「毛皮は非常にもろくなっており、長期の輸送に耐えられない可能性が高いため」だとしている。
この2頭のライオンは、1890年代にケニアで140人以上もの人間を殺したとされており、その後、英国人の橋梁技術者ジョン・パターソン(John Henry Patterson)氏に銃殺された。このパターソン氏とライオンの戦いは、1996年の『ゴースト&ダークネス(The Ghost and the Darkness)』で映画化されている。パターソン氏は1924年、ライオンの遺骸を5000ドルでフィールド博物館に売却。この値段は現在の通貨に換算すれば6万ドル(約690万円)に相当する。
ケニア政府は前週、国際協約をもとに、ケニアの遺産の一部と考えられるこのライオンの遺骸の返却を要求した。これに対し、マッカーター館長は、「パターソン氏はこのライオンの毛皮を10年から15年にわたり床に敷いて使っていた。長い間踏まれ続けたので非常にもろくなっており、輸送することは不可能だ。ケニアに貸し出すことさえ問題外」と述べている。
ところが同館長によると、ケニア国立博物館(National Museum of Kenya)に保存されている150万年前の原人の骨とライオンの骨部との交換については、18か月前から協議が進められているという。
「トゥルカナ・ボーイ(Turkana Boy)」と名付けられたこの骨の化石は、150万年前のヒト属(ホモ・エレクタス)のもので、ケニア国立博物館にほぼ完全な形で残っている。顎がなく、額が傾斜し、腕が長いこの人間の祖先は、世界で唯一証明されたホモ・エレクタスで、1984年の発見以来、ケニア国立博物館の最も貴重な所蔵品と考えられてきた。
フィールド博物館の広報担当者は、この報道についてのコメントを控えている。(c)AFP
この2頭のライオンは、1890年代にケニアで140人以上もの人間を殺したとされており、その後、英国人の橋梁技術者ジョン・パターソン(John Henry Patterson)氏に銃殺された。このパターソン氏とライオンの戦いは、1996年の『ゴースト&ダークネス(The Ghost and the Darkness)』で映画化されている。パターソン氏は1924年、ライオンの遺骸を5000ドルでフィールド博物館に売却。この値段は現在の通貨に換算すれば6万ドル(約690万円)に相当する。
ケニア政府は前週、国際協約をもとに、ケニアの遺産の一部と考えられるこのライオンの遺骸の返却を要求した。これに対し、マッカーター館長は、「パターソン氏はこのライオンの毛皮を10年から15年にわたり床に敷いて使っていた。長い間踏まれ続けたので非常にもろくなっており、輸送することは不可能だ。ケニアに貸し出すことさえ問題外」と述べている。
ところが同館長によると、ケニア国立博物館(National Museum of Kenya)に保存されている150万年前の原人の骨とライオンの骨部との交換については、18か月前から協議が進められているという。
「トゥルカナ・ボーイ(Turkana Boy)」と名付けられたこの骨の化石は、150万年前のヒト属(ホモ・エレクタス)のもので、ケニア国立博物館にほぼ完全な形で残っている。顎がなく、額が傾斜し、腕が長いこの人間の祖先は、世界で唯一証明されたホモ・エレクタスで、1984年の発見以来、ケニア国立博物館の最も貴重な所蔵品と考えられてきた。
フィールド博物館の広報担当者は、この報道についてのコメントを控えている。(c)AFP