【9月21日 AFP】オランダのアムステルダム(Amsterdam)市当局は20日、1500万ユーロ(約24億円)を投じて風俗街の再開発計画を進めると発表した。

 この計画では、市の援助を受けた地元不動産業者が同地域にある風俗店51軒を買い上げ、集合住宅や商業施設への建て替えを進める。オランダでは2000年に売春が合法化されているが、同市は観光名所でもある風俗街の再開発の実現を目指す。

 Job Cohenアムステルダム市長は記者会見で、「2000年の売春合法化以降、事情が変わってしまった。法律で許可されているのは自発的な売春だが、昨今では人身売買や性的搾取などの犯罪が横行している」と指摘。風俗街の再開発は「売春の取り締まりではなく、犯罪との闘いだ」と強調、「(再開発計画は)大きな一歩だ」と述べた。

 財務担当のLodewijk Asscherアムステルダム市議員は、この風俗街再開発計画は観光産業に悪影響を及ぼさないだろうとの見解を示した。

 一方、同国の風俗業者組合はこの計画に反発。同組合の広報担当者は「風俗店が少なくなれば、搾取されている女性たちは組合や医療関係者の監視の及ばないところへ追い込まれてしまうだろう。市当局は、風俗店ではなく売春仲介業者を取り締まらなければならない」と強調した。(c)AFP/Frederic Bichon