【9月12日 AFP】(一部更新)エチオピアは、現地時間で9月12日の0時の鐘をもって新ミレニアム(千年紀)に突入し、首都アディスアベバ(Addis Ababa)の教会には国内各地から多数の信者が集まった。

 ユリウス暦を採用しているエチオピアは、グレゴリオ暦を採用する世界から7年半遅れてミレニアムを祝う。

 アディスアベバのEntoto Mariam教会前には、聖なる水に癒されようと数百人が集まった。32歳の男性は、「病気が完治して、今の仕事を続けられたらいい。新年を迎え、誰もが病気からの回復を願っている」と語った。

 エチオピアのメレス・ゼナウィ(Meles Zenawi)首相は、新ミレニアムが、長年に渡り紛争と貧困にさいなまれてきたエチオピアの繁栄の時代の前触れとなることを願うという希望のメッセージを国民に送った。

 外国元首も出席した公式祝賀行事でメレス首相は、「過去の数世紀、エチオピアは何世代にもわたり独立を維持するために血の代償を支払ってきた」と指摘した。

 アディスアベバには、警察の厳重な警備のなか、国内外から数万人のエチオピア人が史上最大のパーティに参加するために集まった。

 エチオピアは欧米列強の植民地とならなかったアフリカ大陸唯一の国で、愛国的な感情が格別に強い。しかし、熱狂的な祝賀も国民の分断を完全に覆い隠すには至らなかった。

 歴史的にエチオピアは世界で最初にキリスト教国となった国の1つだが、人口8100万人のおよそ半数はイスラム教徒で、ミレニアムの祝賀とは無関係に過ごす。

 南東部のオガデン(Ogaden)地方にはソマリ系のイスラム教徒が居住しており、内戦と人道的危機が続いている。(c)AFP/Emmanuel Goujon and Aaron Maasho