【9月11日 AFP】反アパルトヘイト象徴の地であるヨハネスブルク(Johannesburg)郊外のソウェト(Soweto)で、7、8日の2日間にわたり、南アフリカで人口の大多数を占める黒人居住区の人々にワインに親しんでもらおうと、「ソウェト・ワインフェスティバル(Soweto Wine Festival)」が開催された。

 会場となったヨハネスブルク大学ソウェトキャンパスのホールには、ワインメーカー90社が800種類以上のワインを出品。主催者によると、18歳から30歳の層を中心に過去最高の4000人が訪れ、テイスティングを楽しんだ。今年は同国3大銀行の1つ、スタンダード銀行(Standard Bank)がスポンサーとなった。

 南アフリカは世界ワイン市場の3.3%を占める、9番目のワイン産出国である。にもかかわらず、黒人居住区に住む人々が飲むのは、もっぱらビールとブラウンスピリッツだ。

 Cape Wine Academyのマリリン・クーパー(Marilyn Cooper)代表は、「2005年に開かれた第1回フェスティバルの参加者は約1500人だったが、2006年は3000人、今年は初日だけで2000人以上が訪れた。ここ数年で関心が大きくなっている」と話す。

 また、南アフリカで唯一の黒人女性ワイン醸造業者、Ntsiki Biyelさん(29)は、「フェスティバルによって分別のあるワインの飲み方が広まり、黒人のワイン愛好家が増えてほしい」と話している。

 ソウェトは同国最大の黒人居住区で、人口は150万人以上。1976年にこの地で起きたソウェト蜂起は、1994年まで続いた白人支配に対抗する黒人解放運動の転機となった。(c)AFP