【9月4日 AFP】フランス産ワインとして産地名つきで市場に流通しているワインの3本に1本は表示に偽りがあると、同国の主要な消費者団体が3日、明らかにした。

 古代ガリア=ローマ時代から育まれてきたブドウ畑の自然環境の違いにより、各地のワインはそれぞれ独自の個性を持っているという「テロワール(terroir)」のコンセプトにもとづき、ボルドー(Bordeaux)、カオール(Cahors)、サン・テミリオン(Saint-Emilion)、サンセール(Sancerre)など国内およそ470地域で生産されているワインには、ワイン法により原産地統制(appellation d'origine controlee、AOC)と呼ばれる認証が与えられる。

 2005年には候補ワインの99%がAOCの認定を受けている。しかしフランスの消費者団体UFC-Que Choisirによると、ブドウ農家はより高い収益を目指すことを強いられて製品管理が不十分になり、実際には品質が低下しているという。

 「長年にわたりAOCワインの品質は低下を続け、消費者の信頼を完全に損なってしまった」と、同消費者団体のアラン・バゾ(Alain Bazot)会長は指摘する。 

 同会長は、AOC認定ワインの3本に1本は品質が規定を下回るか、ラベルに表示されている生産地と関係がないと指摘。AOC認定団体で地域のワイン生産者から構成される「原産地呼称国立研究所(INAO)」の公正さに疑念を表明したうえで、品質が基準に満たないワインをAOCの認定から早急に外すよう要請、「これがAOC制度を改善する最後のチャンスだろう」とつけ加えた。

 フランス産ワインのうち、AOCの認定を得ているものは全体の44%で、1970年代の2倍に増えている。(c)AFP