【8月26日 AFP】(8月27日一部修正)31日に行われる故ダイアナ元皇太子妃(Princess Diana)没後10周年の記念追悼式典で、これまでは母親の命日を私的に過ごすことが多かった息子のウィリアム王子(Prince William、24)とヘンリー王子(Prince Henry、22)が式辞を読みあげる。英国王室が25日発表した。

 式典は、両王子が所属する陸軍近衛騎兵連隊(Household Division)があるウェリントン兵舎(Wellington Barracks)内の礼拝堂Guards’Chapelで執り行われる。

 ダイアナ元妃の姉のセーラ・マッコーコデール伯爵夫人(Lady Sarah McCorquodale)もスピーチを行い、式典の様子は全国で生中継される。

 10年前の8月31日、ダイアナ元妃は恋人のドディ・アルファイド(Dodi Al Fayed)氏とともにパリで交通事故に遭い死亡した。

■ダイアナ元妃ゆかりの人たちが出席、カミラ夫人も出席

 ダイアナ元妃の弟のチャールズ・スペンサー伯爵(Earl Charles Spencer)は、ダイアナ元妃の葬儀で英国王室に対する攻撃ともとれる弔辞を読み上げたが、今回の式典ではスピーチは行わない。代わりに式典の計画などで2人の王子を援助してきた。

 式典は1時間で、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)、ダイアナ元妃の離婚した夫チャールズ皇太子(Prince Charles)、カミラ(Camilla)夫人、ダイアナ元妃の出身家のスペンサー家の家族らが出席する。

 ダイアナ元妃とチャールズ皇太子の結婚期間中、皇太子との交際を密かに続けていたカミラ夫人の出席には反対の声もあるが、夫人は2人の王子から招待を受けたと表明している。

 著名人では、ダイアナ元妃の葬儀で1973年のヒット曲『キャンドル・イン・ザ・ウインド(Candle in the Wind)』をダイアナ元妃にささげる詩にリメイクして歌った歌手のエルトン・ジョン(Elton John)、ダイアナ元妃の肖像写真を撮った写真家のマリオ・テスティーノ(Mario Testino)、歌手のクリフ・リチャード(Cliff Richard)、映画監督のリチャード・アッテンボロー(Richard Attenborough)らが出席する。

 ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)現首相と、トニー・ブレア(Tony Blair)前首相も出席する。当時就任間もなかったブレア首相はダイアナ元妃の死の直後にテレビ・インタビューでダイアナ元妃のことを「国民のプリンセス」と呼び、国民の圧倒的な支持を得た。ブレア氏前任者の保守党のジョン・メージャー(John Major)氏も出席する。

 ほかにダイアナ元妃が名付け親となった12人の子供たち、ダイアナ元妃の名付け親、1981年のセントポール大聖堂(St Paul’s Cathedral)のロイヤル・ウェディングでダイアナ元妃の世話をした人たち、ダイアナ元妃が知り合った慈善活動の関係者らがゲストとして招待されている。

 英国教会のローワン・ウィリアムズ(Rowan Williams)カンタベリー大主教による祈りが2つささげられ、ダイアナ元妃の好きだった賛美歌と音楽が演奏される。 

■ドディ氏、元執事、王子の恋人は欠席

 一方、ダイアナ元妃の恋人だったドディ・アルファイド氏の父親で、ロンドンのデパート「ハロッズ(Harrods)」のオーナーのモハメド・アルファイド(Mohammed Al Fayed)氏は式典に招待されなかった。アルファイド氏は息子とダイアナ元妃は王室の陰謀により殺害されたと主張を現在まで崩していない。

 ただ、モハメド・アルファイド氏の娘のカミラさんについては、ドディ氏の血のつながらない妹(姉)にあたるということで、ダイアナ元妃の元従者とともに招待されている。

 ダイアナ元妃に仕えた当時の暴露話を出版したことから、2人の王子に「冷酷で明白な裏切り行為」を指摘されたダイアナ元妃の元執事ポール・バレル(Paul Burrell)氏は出席を見合わせる。

 ウィリアム王子の恋人とされるケイト・ミドルトン(Kate Middleton)さんと、ヘンリー王子の恋人のチェルシー・デイビー(Chelsy Davy)さんは出席しない。

 チャールズ皇太子公邸クラレンス・ハウス(Clarence House)の報道官は、式典が発表された際、それが「私的な家族の集まり」であると述べている。(c)AFP