【8月15日 AFP】英国のピエロが泣いている。北部シェフィールド(Sheffield)でピエロ業を営むバーニー・バローニー(Barney Baloney)さんは、ピエロ・ショーを行う予定だったスーパーマーケットの店主から、「風船は持参しないように」とのお達しを受けた。ゴム・アレルギーの子どもに配慮するためだという。

 同じくピエロのトニー・ターナー(Tony Turner)さん(47)は、シャボン玉製造機の使用を禁じられた。ピエロの顧客となるスーパー、企業の多くが賠償保険に入っていないため、万が一、シャボン玉液で濡れた床で子どもが足をすべらせケガをしたら困るからだという。

 ターナーさんはまた、若者の暴力行為を助長するという理由から、風船をねじってさまざまな物の形を表現するショーで銃の形をつくることも禁じられた。一方で剣の形なら構わないという。 

「禁止事項だらけで、ピエロとしての芸ができない。もう怒りを通り越して笑うしかない」とバローニーさんは地元紙ヨークシャー・ポスト(Yorkshire Post)に訴える。

「英国の行きすぎたポリティカル・コレクトネス(建前主義)や健康、安全絶対主義のせいで、われわれピエロはいい笑いものだ」

 これに対し、大手スーパーチェーン・テスコ(Tesco)の広報担当は、「風船には原料としてゴムが使用されており、アレルギー反応を起こす子どももいる」と反論。

「これは顧客の健康と安全に関わる問題であり、常に心から子どもたちの健康を願っている同社としては、風船禁止の方針は変えられない」(c)AFP