【7月15日 AFP】14日付けのキューバの党機関紙グランマ（Granma）によると、10年前にボリビアからキューバに返還された革命家チェ・ゲバラ（Che Guevara）のものとされる遺体が、科学調査で本人のものであると結論づけられた。

　ゲバラの遺体をめぐっては1995年、キューバ政府が埋葬場所を特定したと発表。遺体は1997年に同国へ返還され、記念式典後に霊堂へ安置されていた。

　同紙によると、鼻筋や前頭葉などにゲバラ特有の形状が認められ、遺体がゲバラのものであることに「疑いの余地がない」という。また、その他の証拠として、ボリビアから返還された遺体には両腕がなかったと伝えている。ゲバラの両腕については1967年、アルゼンチンの検視官が指紋の照合のために切断したとされている。

　「決定的証拠は1960年代にゲバラがキューバを出国する際、護身用の覆面を作成するために採取された歯形だ。1950年代にメキシコで撮影された歯のX線写真とともに決定的な証拠となった」と同紙は伝えている。

　一方で同紙は、元中央情報局（CIA）局員で、マイアミ（Miami）在住のキューバ人亡命者、Gustavo Villoldo氏（71）が今年3月、1967年10月にゲバラの遺体をボリビアのVallegrandeで埋葬したと主張していることについても触れている。同氏は遺体の身元確認のために切り取った遺髪も併せて提供し、DNA鑑定を行うよう求めているという。

　同氏は遺体の埋葬場所について正確な位置を把握しており、ゲバラの家族が望む場合にのみ、情報を提供するという。同氏はまた、米国の支援で反革命部隊がキューバに武力侵攻した1961年4月のピッグズ湾事件（Bay of Pigs、現地名コチノス）事件にもかかわっている。(c)AFP