「ヴィネクスポ」閉幕、仏市場の再活性化に期待
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【6月25日 AFP】見本市への来場者数が業界の繁栄を測る目安だとすれば、フランスのボルドー(Bordeaux)で23日に閉幕した世界最大のワイン見本市「ヴィネクスポ(Vinexpo)」の来場者数は、ワイン業界が「活況」とまではいえずとも、順調に推移していることを裏付けた。
■来場者増加も、仏国内のワイン業界は依然苦戦
主催者の発表によれば、2年に1度開催されるヴィネクスポの今年の来場者数は、前回2005年から3%増加し、5万人を超えたという。
しかし皮肉なことに、同見本市の閉会に際してヴィネクスポのジャンマリ・シャドロニエ(Jean-Marie Chadronnier)会長が述べた言葉を借りれば、世界最大のワイン生産国フランスは「唯一、この祝宴に招かれていない国」なのだ。
シャドロニエ会長は、「今年のヴィネクスポは、ワイン業界が活発なことを裏付けた。今度は、フランス市場を再度活性化し、生産者に誇りを取り戻させなければならない」と語った。
フランス国内では、1950年代に比べてワイン消費量がほぼ半減し、ワイン業界に大打撃を与えている。事態の深刻さは、南部ラングドック(Languedoc)地方の生産者らが最近、新政府に対してワインの値上げを要求し「(値上げしなければ)暴力による抗議も辞さないかもしれない」と脅迫的な警告を発したことにも表れている。
14歳以上のフランス人で毎日ワインを飲む人口は、1980年代は約51%だったのに対し、現在ではわずか12%となっている。1人当たりの年間ワイン消費量は、1960年代前半には100リットルだったが、2002年の調査では56リットルにまで減少している。
一方、フランスワインの輸出は好調で、2006年の海外売上高は前年比約13%増加、87億4000万ユーロ(約1兆4578億円)に達した。特に、米国市場とアジア市場では、フランスワインが健闘している。
ヴィネクスポのロベール・ベナ(Robert Beynat)CEOは、国外からの今回の見本市への来場者(潜在的な買い手)は前回に比べ2%増えたと発表。そのうち2000人がアジアからの来場者で、中国は前回の3倍に当たる400人、香港は前回の2倍の150人だったという。そのほかインド、韓国、日本、ロシアの来場者も今年の会場で目立っていた。
ボルドーワイン卸売業者ジネステ(Ginestet)のアクセル・バレ(Axel Vallet)氏は「ウルグアイとブラジルからの来場者が大きな関心を寄せていた。両国はわれわれが注目している市場だ」 と語る。
■「責任ある飲酒」に取り組み、タバコ業界の二の舞を恐れ
フランスを含む各国で大々的な飲酒運転撲滅キャンペーンが展開されている中、今回のヴィネクスポでは「適度な飲酒」も、注目される話題となった。
カナダ・ケベック(Quebec)州の啓蒙機関「Educ’alcool」が実施した調査によると、過去20年間でケベック州民の飲酒量は減少し、より「適切な」飲酒に気を配る人が増えている。
ヴィネクスポに出席した同機関の関係者は、「適量」は例外のないルールだということ、すなわち「一度でも泥酔したら、また繰り返してしまう」ことを市民に説くことが同機関の使命だと述べた。
しかし、国内消費量の激減に苦しむフランスのワイン生産者の多くは「反アルコール運動が行きすぎている」との感想を抱いている。
ボルドーワイン生産者で、世界的に有名なシャトー・アンジェリュス(Chateau Angelus)のオーナーであるユベール・ド・ブアール(Hubert de Bouard)氏は、「高級ワインであるシャトー・ペトリュス(Chateau Petrus)を飲んで飲酒運転をする人は多くない」と皮肉った。
世界中のワイン・スピリッツ業界は、タバコ業界と同じ道をたどることを警戒し、熱心に自主規制を行うとともに「責任ある飲酒」の問題に真剣に取り組んでいる。(c)AFP/Sophie Kevany
■来場者増加も、仏国内のワイン業界は依然苦戦
主催者の発表によれば、2年に1度開催されるヴィネクスポの今年の来場者数は、前回2005年から3%増加し、5万人を超えたという。
しかし皮肉なことに、同見本市の閉会に際してヴィネクスポのジャンマリ・シャドロニエ(Jean-Marie Chadronnier)会長が述べた言葉を借りれば、世界最大のワイン生産国フランスは「唯一、この祝宴に招かれていない国」なのだ。
シャドロニエ会長は、「今年のヴィネクスポは、ワイン業界が活発なことを裏付けた。今度は、フランス市場を再度活性化し、生産者に誇りを取り戻させなければならない」と語った。
フランス国内では、1950年代に比べてワイン消費量がほぼ半減し、ワイン業界に大打撃を与えている。事態の深刻さは、南部ラングドック(Languedoc)地方の生産者らが最近、新政府に対してワインの値上げを要求し「(値上げしなければ)暴力による抗議も辞さないかもしれない」と脅迫的な警告を発したことにも表れている。
14歳以上のフランス人で毎日ワインを飲む人口は、1980年代は約51%だったのに対し、現在ではわずか12%となっている。1人当たりの年間ワイン消費量は、1960年代前半には100リットルだったが、2002年の調査では56リットルにまで減少している。
一方、フランスワインの輸出は好調で、2006年の海外売上高は前年比約13%増加、87億4000万ユーロ(約1兆4578億円)に達した。特に、米国市場とアジア市場では、フランスワインが健闘している。
ヴィネクスポのロベール・ベナ(Robert Beynat)CEOは、国外からの今回の見本市への来場者(潜在的な買い手)は前回に比べ2%増えたと発表。そのうち2000人がアジアからの来場者で、中国は前回の3倍に当たる400人、香港は前回の2倍の150人だったという。そのほかインド、韓国、日本、ロシアの来場者も今年の会場で目立っていた。
ボルドーワイン卸売業者ジネステ(Ginestet)のアクセル・バレ(Axel Vallet)氏は「ウルグアイとブラジルからの来場者が大きな関心を寄せていた。両国はわれわれが注目している市場だ」 と語る。
■「責任ある飲酒」に取り組み、タバコ業界の二の舞を恐れ
フランスを含む各国で大々的な飲酒運転撲滅キャンペーンが展開されている中、今回のヴィネクスポでは「適度な飲酒」も、注目される話題となった。
カナダ・ケベック(Quebec)州の啓蒙機関「Educ’alcool」が実施した調査によると、過去20年間でケベック州民の飲酒量は減少し、より「適切な」飲酒に気を配る人が増えている。
ヴィネクスポに出席した同機関の関係者は、「適量」は例外のないルールだということ、すなわち「一度でも泥酔したら、また繰り返してしまう」ことを市民に説くことが同機関の使命だと述べた。
しかし、国内消費量の激減に苦しむフランスのワイン生産者の多くは「反アルコール運動が行きすぎている」との感想を抱いている。
ボルドーワイン生産者で、世界的に有名なシャトー・アンジェリュス(Chateau Angelus)のオーナーであるユベール・ド・ブアール(Hubert de Bouard)氏は、「高級ワインであるシャトー・ペトリュス(Chateau Petrus)を飲んで飲酒運転をする人は多くない」と皮肉った。
世界中のワイン・スピリッツ業界は、タバコ業界と同じ道をたどることを警戒し、熱心に自主規制を行うとともに「責任ある飲酒」の問題に真剣に取り組んでいる。(c)AFP/Sophie Kevany