【6月21日 AFP】チベットの高官は20日、ダライ・ラマ(Dalai Lama)はチベット自治権拡大への期待を捨てなければならないと述べ、もし自分の故郷に戻りたいのであれば中国と歩調を合わせるよう進言した。

 これは、進展の見られない中国当局とチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(71)の間の交渉について、チベット自治区のQiangba Puncog議長がコメントしたもの。48年間にわたる亡命生活を送っているダライ・ラマは、故郷に戻ることを希望している。

 政府はダライ・ラマ帰郷の条件を、チベット独立を断念することとしている。1989年にノーベル平和賞を受賞したダライ・ラマは、独立は望んでいないとの声明を既に出しているものの、「本心ではない」として中国政府は一向に聞き入れていない。

 Puncog議長によると、ダライ・ラマが求める「高度な自治権」は、中国北西部の青海省(Qinghai)と四川省(Sichuan)を含み、数世紀にわたりチベット人は青海省と四川省の一部をチベット領域と認識、多数が居住している。中国政府は自治区を発足する際、それらの地域を除外した。

 チベット自治区は1965年に樹立。1959年にチベット蜂起が鎮圧されインドに亡命したダライ・ラマは、以来ダラムサラでチベット亡命政府を率いている。(c)AFP