【6月13日 AFP】英国のウィリアム王子(Prince William、24)とヘンリー王子(Prince Henry、22)が、母である故ダイアナ妃(Princess Diana)の没後10年の数週間前に放送が予定されている米NBCニュースのテレビインタビューの収録を行い、母の思い出を語った。両王子が米国のテレビに出演するのは初めて。NBCが12日、明らかにした。

 インタビューは両王子が住むロンドンの公邸で撮影された。7月1日放送予定で、抜粋版予告編は6月15日、NBC「Today Show」のウェブサイト(todayshow.com)で公開される。

 1997年8月31日、故ダイアナ妃と交際相手のドディ・アルファイド(Dodi Al Fayed)氏を乗せた車がパリのリッツ・ホテルを出発した後、パパラッチの追跡をかわすために高速で疾走し、Pont de l'Almaトンネルで自動車事故を起こした当時、ウィリアム王子は15歳、ヘンリー王子は12歳だった。

 故ダイアナ妃は1992年、王位継承者のチャールズ皇太子(Prince Charles)と別居、1996年には離婚が成立していた。

■両王子が語る母、ダイアナ

 NBCによると、両王子は故ダイアナ妃について語り合うとともに、普通の生活を営むことの難しさについても触れた。

 放送に先立ち米ピープル(People)誌に掲載されたインタビュー内容によると、ヘンリー王子は「この10年間、個人的には母がいつもそばにいるように感じてきた」とNBCのニュースキャスター、マット・ラウアー(Matt Lauer)に語った。
「事故があったトンネルで、何が起こったのだとしても、誰も真実を知ることはできない。人々が事件の真相について常に興味を持っていることは確かで、わたしはその考えをぬぐい去ることができない」

 ウィリアム王子は母の死について、「そのことを考えない日はなかった」と述べた。

■生誕46周年記念コンサートを主催

 故ダイアナ妃の生誕46周年にあたる7月1日、両王子は「コンサート・フォー・ダイアナ(Concert for Diana)」を主催する。このコンサートはトップスターらがロンドンのウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)に集まり演奏を行うもので、NBCが放送を予定している。

 人々の強い関心を集めた私生活、明らかになったロイヤルファミリーとの確執に加え、故ダイアナ妃はチャリティー活動に熱心だったことでも有名で、人々に非常に慕われていた。

■夢は「パイロットか国連職員」「サファリガイド」

 英陸軍に所属する両王子の社交生活は華やかなもので、ウィリアム王子と元ガールフレンド、ケイト・ミドルトン(Kate Middleton)さんとの関係や、ヘンリー王子のナイトクラブやパーティーでの悪ふざけは、英メディアの強い関心を呼んでいる。

 自らの出自をふまえ、両王子は完全に「普通の」生活を営めないことは認めている。ヘンリー王子が「私生活やその他一定の範囲では、できるだけ普通の生活をしたい」と述べると、ウィリアム王子は「一定の敬意があるため決して普通でいることができないのはつらい」と返した。

 元ガールフレンドとの破局が国内で大きく取り上げられたウィリアム王子は、王室出身者であるために誰かと関係を結ぶことが難しいとも語った。
「わたしの身分に引かれるような人物に好意を持たれるのは好きではない。おべっかを使う人々に取り囲まれていたくない」

 一方のヘンリー王子は「わたしも友人も互いに気安く振る舞うことが難しい。彼らはわたしたちのことになると、多くを我慢しなければならないのだから」と苦悩をにじませた。

 ウィリアム王子は同意して「わたしたちには本当にたくさんの障害がある」と語った。

 英国王室に生まれていなかったらどんな仕事に就きたいかと問われ、ウィリアム王子はヘリコプターのパイロットか国連職員、ヘンリー王子はアフリカのサファリガイドと答えた。(c)AFP