【パリ/フランス 19日 AFP】フランス人は雑誌が大好き。フランスのプレス調査会社、AFPM(Audiences etudes sur la presse magazine)が昨年行った調査によると、仏国民(15歳以上)の97.2%にあたる4790万人が一ヶ月に一冊は雑誌を手にしており、この数字は世界記録にもなっているという。一般にフランス人は平均6.8種類の雑誌を読んでおり、高所得者や管理職階級についてはそれぞれ平均して、8から8.5種類の雑誌を手にしている。それぞれの読者は、同じ雑誌を4.6号分にわたって購入する傾向がある。さらに、テレビ関連の週刊誌や隔週誌などは7.9号分、読者を獲得し続けている。

■女性と男性では?

 雑誌を読むのは、男性に比べて女性が多い。女性は7.5冊、男性は6.1冊とわずかながらに差がある。そうは言っても、男性と女性は異なるジャンルの雑誌を手にしている。

 女性は「ピープル(People)」などの女性誌、育児雑誌、そしてインテリア関連雑誌などが大好きだ。一方、男性はやはりスポーツ、車、そして男性誌などを好む傾向にある。


■テレビ関連雑誌がトップ

 数ある雑誌の中でも、フランス人が好むのはテレビ関連雑誌である。テレビ雑誌については国民の79.3%が購読をしており、年代や収入状況に関わらず、家族全員が目を通しているのも特徴だ。両親の元で暮らしている若者の82%がテレビ雑誌を読んでいるという。


■ますます伸びる雑誌業界

 今年出された調査結果では、昨年から雑誌を読む人が大幅に増加したことが明らかになっている。今年の調査では、雑誌市場の分析を改善するため、昨年までの2万人に比べ、今年は2万4000人の人々にインタビューを行った。さらに、170種類の雑誌が調査の対象として新たに加えられた。その結果、明らかになったことはやはり「フランス人はテレビ雑誌を好む」ということだろう。最も人気のある上位10種類の雑誌のうち、7冊がテレビ関連雑誌であった。

 また日刊誌も同様に人気を博しており、毎日国民の58.9%にあたる2910万人が一冊は読んでおり、こちらも世界記録だ。調査によると、60種類近い雑誌が毎号200万人の読者を抱えているという。その中でも、500万人以上もの人々が、9種類の週刊誌や隔週誌を定期購読している。

 フランスのソクプレス(Socpresse)は、地方誌を含めると約40種にも及ぶ日刊誌を発行している大手出版社だ。その購読者数はなんと1429万人にものぼる。「ニュースマガジン」の先駆者である、ヌーヴェル・オブセルバトゥール(Nouvel Observateur)誌は260 万人の購読者を抱えている。それに次いでレクスプレス(l’Express)誌は200万人、ル・ポワン(Le Point)誌は170万人、マリアンヌ(Marianne)誌が130万人の読者を持つ。

 週刊誌や隔週誌を除いては、エディシオン・マサン(Editions Massin)社のアール・エ・デコラシオン(Art et Decoration)誌が550万人の購読者数、プリスマ・プレス(Prisma Presse)社のジェオ(Geo)誌が490万人でそれに続く。しかし、新たに調査対象となった週刊誌People Closer誌(マンダドリ(Mandadori)社)は、2005年7月の刊行以来わずか1年半たらずで300万人の読者を獲得した。しかしながら、ヴォワシ(Voici,プリスマ・プレス社)の440万人には追いつけずにいる。

■意外にも伸び悩む無料誌・スポーツ誌

 スポーツ週刊誌については、その発行数は53万部数にも及んでいるにも関わらず、読者はわずか78万5000人。また、無料誌については、読者数は意外にも伸び悩んでいる。

 また、パリのみで発行されている、ア・ヌー・パリ(A Nous Paris)誌は28万発行部数で46万4000人、さらに隔月のファム(Femme)誌もパリのみの発行で50万1千部、54万9000千人の購読者を抱えている。

写真は、フランスで発行されれている雑誌。(c)AFP