【ロンドン/英国 22日 AFP】「鉄の女」として知られるマーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)元首相の銅像の除幕式が21日に行われた。

 この銅像は、高さ2.24メートル。下院議場に隣接する議員ロビーにあるウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)元首相の銅像の真正面に置かれる形で設置された。議会で演説しているかのように、右手を伸ばしたポーズを取っている。

 サッチャー元首相本人も銅像の除幕式に出席。「"鉄"の像の方が、私には良かったかもしれません。でも、ブロンズもいいですね、サビませんから」との感想を述べた。

 また「下院は、この立派で堂々とした銅像を作ることで、私に対して最高の敬意を払ってくれました。ここには偉大な政治家である、ロイド・ジョージ(Lloyd George)氏、クレメント・アトリー(Clement Attlee)氏、ウィンストン・チャーチル氏ら元首相3人の銅像が展示されています。こうした方々と一緒に私の銅像も展示したていただき、これ以上、栄誉なことはありません」と喜びを表した。

 存命中の元首相の像が展示されるのは英国史上初となるため、下院では論争が行われた。しかし、マイケル・マーティン(Michael Martin)下院議長により決定された。マーティン議長は21日、満場の下院議場で「これまでの銅像がそうであったからといって、サッチャー氏の銅像の除幕を、死後10年間も待つ必要はないはずだ」と述べたている。

 これに対し、労働党のPaul Flynn議員は「下院の伝統を変えることになったこの件は、下院全体で協議されたわけではなく、半ば秘密裏に決定されていた」として非難している。

 写真は公開されたサッチャー像。(c)AFP/Johnny Green/PA Wire