【8月11日 AFP】製品からボツリヌス菌が検出され国際的な圧力を受けているニュージーランドの乳業大手フォンテラ（Fonterra）は10日、スリランカで同社の粉ミルクに微量の化学物質ジシアンジアミド（DCD）が混入していると指摘されたことを受け、スリランカで粉ミルクのリコールを実施し、同日までに完了したと発表した。

　ジシアンジアミドは牧草の収穫量を増やすために牧草地に散布される化学物質。フォンテラは、自社の粉ミルクにジシアンジアミドは混入していないと考えているが、スリランカ政府の指示に従ってリコールを実施したとしている。

　あるニュージーランド政府機関のウェブサイトは、ジシアンジアミドに毒性はなく、食品の安全性を脅かすものではないが、国際的な規制機関はジシアンジアミドの残留物を「汚染物質」とみなす傾向があると記載している。

　AFPの取材に応じたスリランカ保健省の報道官は、保健省としてはジシアンジアミドはミルクに含まれるべきではない有毒化学物質であると考えているのでリコールを指示したと説明した。フォンテラはスリランカ市場で非常に有力な複数のブランドを持っており、スリランカが輸入する粉ミルクのうち3分の2近くはフォンテラの製品が占めている。(c)AFP