【8月9日 AFP】中東で多数の死者を出している中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory SyndromeMERS)のウイルスは、ヒトコブラクダが感染源である可能性があるとする国際チームの研究結果が、9日に英医学誌「ランセット・インフェクシャス・ディジージズ(Lancet Infectious Diseases)」で発表された。

 ウイルスの感染源はまだはっきりしていないが、10月には年に1回のメッカ巡礼(ハッジ)のため多数のイスラム教徒がサウジアラビアを訪れることから、科学者らは感染拡大を食い止めるための感染源特定を急いでいる。

 研究チームによると、オマーンのラクダに血液検査を実施したところ、ウイルス抗体の陽性反応が出たことから、MERSウイルスまたはその類似ウイルスにある時点では感染していたことが分かった。

 このことから、ヒトコブラクダが「ヒトにMERSを発症させるウイルスの感染源の一つである可能性がある」と、研究チームは述べている。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、昨年9月以降にMERSウイルスへの感染が確認されたのは94人で、うち46人が死亡している。(c)AFP/Mariette LE ROUX