【8月5日 AFP】(一部更新)中国は、ニュージーランド産の乳製品にボツリヌス中毒を引き起こす細菌が見つかったとして、同国からの粉ミルクの輸入を全面禁止した。ニュージーランドのティム・グローサー(Tim Groser)貿易相が4日、明らかにした。

 今回の措置は、乳業大手フォンテラ(Fonterra)が乳児用調整粉乳を含む同社の乳清輸出品に、致死的な疾患を引き起こしかねない細菌が含まれていた可能性があることを明らかにしたのを受けたもので、グローサー貿易相は、中国の輸入禁止は「全面的に適切」であると述べた。

 中国当局は輸入禁止を公式には発表していない。

 中国では、国内での一連の食品に関する不祥事以降、乳児用調整粉乳を含む粉ミルクの海外依存が高まっている。政府のウェブサイトによると、今年1月から3月までの粉ミルク輸入の約95%はニュージーランドからだ。

 中国の国営新華社(Xinhua)通信は4日、フォンテラの乳清タンパク製品を輸入した業者4社は、健康上の不安に対応し、製品の回収を始めたと伝えた。

 グローサー貿易相によると、フォンテラの問題は「極めて深刻であり」、同社の濃縮乳清タンパク製品はオーストラリア、中国、マレーシア、サウジアラビア、タイ、ベトナムに輸出されている。

 ロシア通信(Ria Novosti)によると、ロシアでは政府がフォンテラ製品の回収に着手した。また、マレーシアでは仏食品大手ダノン(Danone)傘下のデュメックス(Dumex)が特定の乳児用調整粉乳の予防的回収を指示したが、検査では汚染が発見されていないとしている。(c)AFP