【7月26日 AFP】満月の夜には、たとえ月を見ていなくても熟睡できないということが、スイスの研究者らによって確認された。米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)オンライン版に25日に発表された研究結果によると、満月の夜には人は寝付きが悪くなり、睡眠時間も短くなるという。

 研究チームは、月の周期について一切知らせない状態でボランティア33人に睡眠研究所で寝てもらい、新月と満月の夜、計2晩の睡眠状況を観察した。すると、満月の夜の平均睡眠時間は新月の夜よりも19分少なく、眠りに就くまでにかかる時間は平均で5分長かった。

 スイス・バーゼル大学(Basel University)精神科病院のChristian Cajochen博士は、「月を実際に目で見ることができず、その日の満ち欠けの状態を認識していない場合でも、月の周期は人間の睡眠に影響を及ぼしているようだ」と述べている。

 満月の夜の睡眠について、ボランティアらはしっかりした休息が取れなかったと報告している。研究ではまた、覚醒と睡眠を切り替えるホルモン物質であるメラトニンの量が、満月の夜には少ないことも示された。

 今後さらに研究を進めれば、月が人間の気分や精神状態に及ぼす影響が測定できるかどうかも分かるかもしれないと研究チームは期待している。(c)AFP