【7月23日 AFP】1970年代生まれの女性のアルコールに関連した死亡が過去10年間で「偏って増加」しているとの英3都市を対象にした研究が、19日の英国医師会(British Medical AssociationBMA)発行の専門誌「Journal of Epidemiology and Community Health(疫学と地域保健)」に掲載された。

 研究チームは、30~40代女性のアルコール乱用による死亡件数の増加は「懸念されるトレンド」だと述べ、迅速な対策行動を呼び掛けた。同年代の男性にこの傾向は見られないという。

 研究は、英グラスゴー(Glasgow)、マンチェスター(Manchester)、リバプール(Liverpool)の3都市の1910~1979年生まれの人を対象に、1980~2011年の間に起きたアルコールに関連した死亡を調査した。

 全体としては、3都市のアルコール関連死は2000年代初頭まで増加を続け、その後、横ばいに転じた。だが、1970~1979年生まれの女性だけは例外で、以後も増加を続けた。

 研究チームによると、1990年代後半から2000年代前半にかけて、1970年代生まれの女性が1970年以前に生まれた女性よりも若い年齢でアルコールに関連して死亡した件数は「相当」多かったという。

 報告書の発表に先立ち、英政府はイングランドとウェールズでアルコール飲料に最低価格帯を導入する計画を取り下げたばかりだった。

 研究チームは、今回の研究結果はさらなる悲劇を食い止めるための「警報」だとして、このトレンドを逆転させる政策を呼び掛けた。(c)AFP