【7月4日 AFP】後天性免疫不全症候群(エイズ、AIDS)を発症させるヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者の治癒に向けた希望の光となる、幾つかの小規模臨床試験の結果が、マレーシアの首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)で開催された国際エイズ会議で3日、発表された。

 大きな注目を集めていた米ミシシッピ(Mississippi)州での試験では、HIVに感染した状態で生まれた新生児に、生後数日の段階から抗レトロウイルス薬を投与したところ、投与をやめてから15か月後もHIVが検出されなかったことが報告された。

 米ボストン(Boston)の試験では、がんを発症し骨髄移植を受けたHIV陽性の男性2人が、エイズ治療薬の服用をやめてからそれぞれ15週と7週を過ぎてもHIVが検出されなかったことが報告された。

 だが、これら2つの研究プロジェクトは共にまだ初期段階にあり、HIV感染患者の治癒の達成が目前にあることを示す結果と捉えるべきではないと、研究者らは注意を促している。しかし、たとえそうだとしても、かつて不可能と考えられていたHIVの根絶や、毎日の薬物投与なしでの抑制(機能的治癒)という目標の追求に向けた動機を強化する結果であるという。(c)AFP