【6月28日 AFP】厚生労働省の審査委員会は26日、患者本人の細胞から作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)を目の病気、加齢黄斑変性(AMD)の治療に使う臨床研究の実施を世界で初めて承認した。

 AMDは加齢と共に起こりやすく、失明に至る危険がある病気で、国内だけで約70万人の患者がいる。現段階では完治は不可能とされる。

 承認を受け、理化学研究所(Riken)発生・再生科学総合研究センター(Center for Developmental BiologyCDB)は、来年夏にも臨床研究を開始すると発表した。

 対象となるのは50歳以上のAMD患者6人。これらの患者から皮膚細胞を採取し、遺伝子を組み直してiPS細胞を作製。その細胞を網膜細胞に分化させ、約10か月かけてできた網膜色素上皮の細胞シートを患者の目に移植する。

 移植後、患者を4年間観察し、拒絶反応やがん化の有無についての検証を行う。(c)AFP/Kyoko HASEGAWA