【6月20日 AFP】妊娠中の女性が鉄サプリメント(栄養補助食品)を週2回しか摂取しなくても、毎日摂取した場合と比べて赤ちゃんの出生時の体重やその後の発育状況に大きな違いはみられなかったとの研究論文を、豪メルボルン大学(University of Melbourne)の研究チームが18日、医学誌「プロス・メディシン(PLOS Medicine)」に発表した。

 研究は、ベトナムの農村地域の妊婦を各400人程度の3グループに分けて行われた。鉄と葉酸のサプリメントを1つ目のグループは毎日、2つ目のグループは週2回摂取し、3つ目のグループは鉄と葉酸のサプリメントと一緒にその他の微量栄養素を週2回取った。

 結果を比較したところ、どのグループも赤ん坊の出生時の体重に大きな差はなく、早産や死産、早期新生児死亡の確率にも差は出なかった。また生後6か月の時点でも、乳児のヘモグロビン濃度や貧血の状態、発育状態に差はみられなかった。

 さらに、鉄と葉酸のサプリメントを週2回摂取したグループの母親の子どもは、毎日摂取したグループの子どもに比べ、優れた認知機能の発達が確認された。これについて論文の執筆者らは、理由の解明にはさらなる研究を重ねる必要があると述べている。

 今回の研究は、多くの人が抱える貧血の治療法を根本的に変える可能性がある。鉄サプリメントを毎日摂取することによる副作用やかさむ費用は、貧血治療における課題とされている。(c)AFP