閉経の原因は男性が若い女性を好むから?研究論文
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【6月16日 AFP】女性が閉経する原因は、男性がパートナーとして若い女性を好む傾向があるからかもしれない━━こんな論文が13日、科学誌プロス・コンピュテーショナル・バイオロジー(PLOS Computational Biology)に掲載された。
論文の著者の1人、カナダ・マクマスター大学(McMaster University)のラーマ・シン(Rama Singh)教授(進化遺伝学)は「女性がいくつになっても出産することができ、男性がパートナーとして高齢の女性を避ける傾向がなければ、女性は男性と同様、生涯にわたって生殖能力を維持しているはずだ」と語り、高齢の女性が子供を産めなくなるのは、子育ての手伝いをすることによって一族の生存を助けるためだという説(おばあさん仮説)には納得できないと述べた。
そこでシン教授は、男性は高齢になっても若い女性パートナーを求めるため高齢女性にとってはパートナーとなり得る男性が少なくなって生殖ができなくなり、このため閉経という現象が生まれたという仮説を立てた。
シン教授らの論文は、男性がパートナーとして若い女性を求めることが女性の遺伝子の変異につながり、その積み重ねが生殖能力に悪影響をもたらして閉経をもたらした可能性があることを、コンピューターモデルも使って示した。
■同意しない専門家も
閉経が主にヒトに起こる現象だとみられることに疑問を呈したシン教授の主張は、多くの人を驚かせたものの、すべての専門家を納得させたわけではない。米ニューヨーク大学医学部(New York University School of Medicine)のスティーブン・ゴールドスタイン(Steven Goldstein)教授(産婦人科学)は、「同意できない」とこの説を一蹴した。
「ヒト以外の霊長類にも閉経はある。ただし、こうした霊長類の閉経後の平均余命は非常に短い。おおむね1850年代まではヒトも同じだった。1850年の平均閉経年齢は46歳、平均寿命は50歳で、チンパンジーやゴリラのものと、より近かった」という。
今回の研究には参加していないゴールドスタイン教授はAFPに対し、「浄水や抗生物質などといった科学の進歩が人間の寿命を大幅に延ばした、というのがより正確な説明だろう。高等霊長類における生殖能力の喪失は常に寿命が尽きる直前に起きていた。女性が長生きするようになったのは、現代社会が発展したからにすぎない」と述べた。
シン教授らの論文はプロス・コンピュテーショナル・バイオロジーのウェブサイト上で「オープンアクセス」として公開されており、自由に読めるようになっている。(c)AFP
論文の著者の1人、カナダ・マクマスター大学(McMaster University)のラーマ・シン(Rama Singh)教授(進化遺伝学)は「女性がいくつになっても出産することができ、男性がパートナーとして高齢の女性を避ける傾向がなければ、女性は男性と同様、生涯にわたって生殖能力を維持しているはずだ」と語り、高齢の女性が子供を産めなくなるのは、子育ての手伝いをすることによって一族の生存を助けるためだという説(おばあさん仮説)には納得できないと述べた。
そこでシン教授は、男性は高齢になっても若い女性パートナーを求めるため高齢女性にとってはパートナーとなり得る男性が少なくなって生殖ができなくなり、このため閉経という現象が生まれたという仮説を立てた。
シン教授らの論文は、男性がパートナーとして若い女性を求めることが女性の遺伝子の変異につながり、その積み重ねが生殖能力に悪影響をもたらして閉経をもたらした可能性があることを、コンピューターモデルも使って示した。
■同意しない専門家も
閉経が主にヒトに起こる現象だとみられることに疑問を呈したシン教授の主張は、多くの人を驚かせたものの、すべての専門家を納得させたわけではない。米ニューヨーク大学医学部(New York University School of Medicine)のスティーブン・ゴールドスタイン(Steven Goldstein)教授(産婦人科学)は、「同意できない」とこの説を一蹴した。
「ヒト以外の霊長類にも閉経はある。ただし、こうした霊長類の閉経後の平均余命は非常に短い。おおむね1850年代まではヒトも同じだった。1850年の平均閉経年齢は46歳、平均寿命は50歳で、チンパンジーやゴリラのものと、より近かった」という。
今回の研究には参加していないゴールドスタイン教授はAFPに対し、「浄水や抗生物質などといった科学の進歩が人間の寿命を大幅に延ばした、というのがより正確な説明だろう。高等霊長類における生殖能力の喪失は常に寿命が尽きる直前に起きていた。女性が長生きするようになったのは、現代社会が発展したからにすぎない」と述べた。
シン教授らの論文はプロス・コンピュテーショナル・バイオロジーのウェブサイト上で「オープンアクセス」として公開されており、自由に読めるようになっている。(c)AFP