【6月11日 AFP】前立腺がんと診断された患者が野菜やナッツ、オリーブオイルなどから健康的な脂肪分をより多く摂取した場合、食生活を変えなかった患者に比べて生存率が高くなるとの研究結果が10日、米医学誌「米国医師会雑誌(内科)(Journal of the American Medical Association Internal MedicineJAMA Internal Medicine)」に掲載された。食生活の改善は、非転移性の前立腺がん患者の死亡率を下げるうえで重要な方法である可能性があるという。

 報告書の主著者、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San FranciscoUCSF)のエリン・リッチマン(Erin Richman)氏(疫学・生物統計学)によると、健康的な油やナッツ類を摂取すると血漿(けっしょう)抗酸化物質が増加し、インスリンや炎症が減少する。その結果、前立腺がんの進行を防ぐ可能性があるという。

 研究は、1986年から2010年の間に非転移性の前立腺がんと診断された男性4577人を対象に行われた。

 研究の結果、1日に炭水化物から摂取する総カロリーの10%を植物性脂肪に置き換えた場合、前立腺がんが死亡に至るまで進行するリスクは29%下がった。また、他の原因による死亡リスクも26%下がった。

 健康的な植物性脂肪は、オリーブオイルやキャノーラオイル、ナッツ類、アボカドなどに含まれる。

 リッチマン氏は、「心臓血管系の病気では、不飽和脂肪が良い効果をもたらし、飽和脂肪やトランス脂肪が悪い影響を与えることはよく知られているが、今回の研究は、前立腺がん患者にとっても、不飽和脂肪の摂取が良い効果をもたらす可能性があることを示している」と説明している。(c)AFP