【4月21日 AFP】インドに住む水頭症で頭のふくれあがった1歳半の女児ルーナ・ベグム(Roona Begum)ちゃんの頭部から髄液を抜き出す処置が19日、首都ニューデリー(New Delhi)近郊の病院で始まった。

 神経外科医サンディープ・バイシャ(Sandeep Vaishya)医師によると、ルーナちゃんの頭蓋骨にカテーテルを通して髄液を抜いているという。圧力をかけることができないので自然に流れ出るのを待つしかなく、処置には10日以上かかる見込みだという。しばらく様子を見た後に、手術が必要かどうか検討する。

 一般的な水頭症の治療法として、脳室にたまった髄液をチューブで腹腔内などの体内の別の場所に導き自然に吸収させるシャント術(短絡術)がある。しかし、ルーナちゃんの体重約14キロのうち半分以上が頭部にたまった髄液の重さだとみられ、体内の別の場所に吸収させるには多すぎるという。ルーナちゃんは頭の付け根付近に皮膚疾患があり、シャント術をすると頭皮から出た髄液で新たな合併症を起こす恐れもあった。

 米国立神経疾患脳卒中研究所(National Institute of Neurological Disorders and StrokeNINDS)は、子供500人当たり約1人が水頭症に苦しんでいると推定している。(c)AFP/Ammu Kannampilly