【4月19日 AFP】水頭症で頭の大きさが通常の倍にもふくれあがった1歳半の女児ルーナ・ベグム(Roona Begum)ちゃんの担当医は19日、ルーナちゃんの健康状態は良好だが、治療は複雑なものになるだろうと語った。

 インド北東部トリプラ(Tripura)州の州都アガルタラ(Agartala)郊外に住むルーナちゃんは、髄液が頭蓋腔内にたまり脳室が拡大する水頭症を患っている。だが両親は治療費を工面することができず、ルーナちゃんの頭囲は90センチ以上にもふくれあがってしまった。

 だがAFPが公開したルーナちゃんの写真がきっかけで募金が集められ、首都ニューデリー(New Delhi)近郊の病院で院長を務める神経外科医サンディープ・バイシャ(Sandeep Vaishya)医師がルーナちゃんの診察と治療を試みると約束した。

 ルーナちゃんを診察したバイシャ医師は19日、これまでのところルーナちゃんの健康状態は良好だと述べた。ただ症例は複雑で現在、最適な治療方法を検討中だと語った。

 最も一般的な水頭症の治療法は、脳室にたまった髄液をチューブで腹腔内などの体内の別の場所に導き自然に吸収させるシャント術(短絡術)という方法がある。

 しかしルーナちゃんの場合、体と比較して頭が大きすぎることが事態を複雑にしているとバイシャ医師は指摘する。「頭が腹部に比べて数倍の大きさがある。それだけ大量の髄液を、シャント術で体に吸収させることが可能なのか検討する必要がある」

 さらにバイシャ医師は、頭がふくれあがったことでルーナちゃんの頭皮がデリケートな状態になっていると考えられることから、髄液を抜くチューブを挿入することで、別の問題に直面するのではと懸念している。(c)AFP