【4月22日 AFP】貧困層の乳児に無料で母乳を提供する「母乳バンク」が15日、インド北西部ラジャスタン(Rajasthan)州のウダイプル(Udaipur)にある政府系の病院内に開設された。弱い立場にある子どもたちを支援するのが目的だという。ウダイプルのこの病院は、州都ジャイプール(Jaipur)から約334キロメートルのところにある。

「ディヴィヤ母乳バンク(Divya Mothers Milk Bank)」の最高執行責任者で小児科医でもあるR.K.アガルワル(R. K. Agarwal)氏がAFPに語ったところによると、バンクは非営利組織の支援を受け、母乳を与えられない母親を持つ乳児を対象に、「殺菌済みの安全な母乳」を提供する。インド南部ではすでにこうした施設が運営されているが、北部では初の施設とみられるという。

 同氏は、「インドでは伝統的に、乳母や養母が使われてきた。母乳は乳児にとって最高の特効薬であることが、科学的に証明されている」と説明している。

 同バンクはボランティアの協力を得て地元の女性たちから母乳を集めるが、母乳の提供者はまず、複数の疾患について検査を受けることになっている。搾乳した母乳は殺菌した後、冷凍保管される。(c)AFP