【4月16日 AFP】中国で鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の人への感染が拡大する中、中国国営の環球時報(Global Times)は15日付の社説で、国民にこれまで通り鳥肉を食べ、家禽(かきん)産業の復興を助けるよう促した。同紙によると鳥インフルの人への感染が始まってから1週間で、家禽産業には100億元(約1600億円)の損害が生じているという。

 中国政府がH7N9型の人への感染を公表して以降、2週間で計62人の感染が確認され、うち14人が死亡した。

 環球時報は「国民は、現状が家禽産業全体の大惨事へと発展するのを回避するため、不安をある程度抑えるべき」と呼び掛けた。また鳥肉を避けることは「家禽農家にとって不公平」で、「行き過ぎた懸念」だとし、「個人主義を超えた集団の精神」を示すよう求めた。

 世界保健機関(WHO)によると、食品にセ氏70度以上の加熱処理をすれば、鳥インフルエンザウイルスを不活性化させ、安全に食べることができる。

 中国では前週末、それまで40人だった感染者数が急増。感染は上海(Shanghai)とその近郊の3省以外へも拡大し、河南(Henan)省で2例、首都北京(Beijing)市で1例が新たに確認された。北京市衛生当局が15日発表したところによると、同市で感染が確認された7歳女児は回復途中にあり、一般病棟に移された。感染者と密接に接触したため観察下に置かれていた男児は、ウイルスの陽性反応が出たものの、症状は出ていないという。(c)AFP