【3月27日 AFP】世界保健機関(World Health OrganisationWHO)は26日、SARSSevere Acute Respiratory Syndrome、重症急性呼吸器症候群)ウイルスに似た新型コロナウイルス「hCoV-EMC」による11番目の死者が出たと発表した。

 死亡したのは73歳のサウジアラビア人男性で、パキスタンとサウジアラビアを旅行した後に発症し、今月19日にアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ(Abu Dhabi)から独ミュンヘン(Munich)に搬送され、治療を受けていた。

「hCoV-EMC」は、2012年半ばに最初にその存在が確認された。約10年前に東南アジア地域で出現し猛威を振るったSARSウイルスの親類に当たるが、急速な腎不全を引き起こす点で特に異なっている。現在までにサウジアラビア、ヨルダン、ドイツ、英国で17人の感染が確認され、うち11人が死亡した。

 WHOは26日、重度の急性呼吸器感染症がみられた場合には注意するよう改めて呼びかけた。(c)AFP