【3月12日 AFP】米ニューヨーク(New York)州の裁判所は11日、マイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)市長の肝いりでニューヨーク市での導入が決まっていた特大サイズ炭酸飲料の販売規制条例は「独断的」だとして、条例は無効との判断を下した。これにより12日からの同条例施行は中止となる。

 条例はファストフード店などの飲食店やスタジアムなどの娯楽施設で販売される炭酸飲料の容量上限を16オンス(約470ミリリットル)に制限するもの。レストランや公園などでの喫煙を禁止するなどニューヨーク市民の健康を政策の筆頭に掲げるブルームバーグ市長が昨年、肥満防止対策として推進し、同年9月に市保健委員会が認可。12日からの施行が決まっていた。

 だが条例をめぐる意見は2分され、条例に反対の立場をとる米飲料業協会(American Beverage Association)や全米レストラン協会(National Restaurant Association)が率いる複数のロビー団体が条例は無効だとしてニューヨーク市を訴えていた。

 裁判所は原告側の主張を認め、条例無効の判断は「恒久的なもの」としているが、ブルームバーグ市長は即時にツイッター(Twitter)で上訴の意志を示し「できる限り早く上訴するつもりだ。最終的には条例は支持される自信がある」と書き込んだ。

 ニューヨーク市では毎年多数が肥満関連の病気で死亡する上、成人の8人に1人が糖尿病を患っており、糖分の摂取が事態を悪化させているとされる。特にミネラルウオーターよりも安価な炭酸飲料が要因の一つであることは研究でも示されている。

 ブルームバーグ市長も昨年、「米国やニューヨークにまん延する肥満の最も大きな要因は甘味飲料の飲みすぎだ。これは一種の流行病だ」と条例への理解を訴えていた。(c)AFP/Brigitte Dusseau