【3月12日 AFP】脳卒中リスクの高い人々の発症を防止することを目指した米医療機器ボストン・サイエンティフィック(Boston Scientific)の埋め込み医療機器WATCHMANが、血栓の移動防止に効果があることが示されたとの研究が、9日の米国心臓病学会(American College of Cardiology)で発表された。

 傘のような形状のWATCHMANを埋め込むことで、心房細動(不整脈)患者に用いる抗凝血剤の代替治療ともなるという。

 ボストン・サイエンティフィックは41か所で臨床試験を実施。対象者は407人で、このうちWATCHMANを埋め込んだ被験者は269人、経口抗凝固薬ワルファリン治療を受けている被験者は138人だった。試験の結果、効果は1対1.07の比率で、ほぼ同じであることが分かったという。

 ボストン・サイエンティフィックのケネス・シュタイン(Kenneth Stein)氏は学会で、今回の試験結果によって高い脳卒中リスクを持つ患者の新たな治療選択肢としてのWATCHMANのデータに、また新たなデータが加わったと語った。

 すでにWATCHMANは2005年に欧州で、2009年にアジアの数か国で販売が認可されている。現在は米国での販売に向けて米食品医薬品局(US Food and Drug AdministrationFDA)による認可を目指しており、今回の研究もその一環としてFDAに提出される。(c)AFP