フランス人男性の精子数、約15年で3分の1減 仏研究
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【12月6日 AFP】フランス人男性の精子の数が1989年から2005年の間に3分の1減ったとする研究結果が5日、欧州の学会誌「ヒューマン・リプロダクション(Human Reproduction)」に発表された。環境汚染物質や生活様式の変化によって生殖能力が阻害されているのではないかとの懸念をかき立てている。
研究チームは、精子の質を全国規模で長期にわたって調査した初の研究だとして「公衆衛生における深刻な警告だ。とりわけ環境との関連が究明される必要がある」と述べている。
この研究では17年間にわたり、フランス国内126か所の体外受精センターで男性2万6609人が提供した精子のデータを調べた。この男性たちは卵管が閉塞しているか卵管を失った女性のパートナーで、不妊の原因は男性側の精子の問題ではなかった。
対象期間中、精液1ミリリットル当たりに含まれる精子数を示す精子濃度は年平均で約1.9%ずつ継続的に減少し、全期間通しては32.2%減少していた。平均年齢35歳男性では、精子濃度は1989年には7360万個だったのが、2005年には4990万個に減っていた。
一般的に精子濃度が5500万個を下回ると受胎率に影響が出るといわれ、1500万個を下回ると不妊の原因とみなされる。
また、調査対象となった17年間に通常の精子形成は33.4%減っていた。対照的に、受胎を左右する要因となる精子の運動率は49.5%から53.6%にわずかながら増えていた。
精子数が減少傾向にある原因として研究チームは、過去の研究で指摘されてきたと同様に環境ホルモンを疑っている。同時に「肥満度指数(BMI)やストレス、食生活、感染症といった精液に影響を与えるその他の要因も関連している可能性がある」とも述べている。
男性の生殖能力に関する懸念を最初に引き起こしたのは1992年9月に発表された、デンマーク人男性の精液濃度が1938年~91年に半減したという調査結果だった。しかし、その後の研究結果にはばらつきが生じている。こうした矛盾の理由として専門家らは、データサンプルとされる精子がほぼ不妊治療の過程や精子提供者などから採取されるものばかりである点や、精子の検査方法の変更などを指摘している。(c)AFP/Richard INGHAM
研究チームは、精子の質を全国規模で長期にわたって調査した初の研究だとして「公衆衛生における深刻な警告だ。とりわけ環境との関連が究明される必要がある」と述べている。
この研究では17年間にわたり、フランス国内126か所の体外受精センターで男性2万6609人が提供した精子のデータを調べた。この男性たちは卵管が閉塞しているか卵管を失った女性のパートナーで、不妊の原因は男性側の精子の問題ではなかった。
対象期間中、精液1ミリリットル当たりに含まれる精子数を示す精子濃度は年平均で約1.9%ずつ継続的に減少し、全期間通しては32.2%減少していた。平均年齢35歳男性では、精子濃度は1989年には7360万個だったのが、2005年には4990万個に減っていた。
一般的に精子濃度が5500万個を下回ると受胎率に影響が出るといわれ、1500万個を下回ると不妊の原因とみなされる。
また、調査対象となった17年間に通常の精子形成は33.4%減っていた。対照的に、受胎を左右する要因となる精子の運動率は49.5%から53.6%にわずかながら増えていた。
精子数が減少傾向にある原因として研究チームは、過去の研究で指摘されてきたと同様に環境ホルモンを疑っている。同時に「肥満度指数(BMI)やストレス、食生活、感染症といった精液に影響を与えるその他の要因も関連している可能性がある」とも述べている。
男性の生殖能力に関する懸念を最初に引き起こしたのは1992年9月に発表された、デンマーク人男性の精液濃度が1938年~91年に半減したという調査結果だった。しかし、その後の研究結果にはばらつきが生じている。こうした矛盾の理由として専門家らは、データサンプルとされる精子がほぼ不妊治療の過程や精子提供者などから採取されるものばかりである点や、精子の検査方法の変更などを指摘している。(c)AFP/Richard INGHAM