【10月29日 AFP】40歳までに喫煙をやめた女性は寿命が平均で9年以上延びるが、それでも死亡率は非喫煙者より20%高いとする論文が、27日の英医学専門誌ランセット(The Lancet)で発表された。

 調査は英国の女性120万人近くを対象に行われた。なお、男性を対象に行われたこれまでの調査でも、今回と同様の結果が出ている。

 調査によると、成人してから最後まで喫煙をやめなかった女性の平均寿命は、非喫煙者より11年短かった。それに比べ、40歳までに禁煙した女性は平均で9年以上、30歳までなら約10年も寿命が長かった。

 論文を共同執筆した英オックスフォード大学(University of Oxford)のリチャード・ピト(Richard Peto)氏によると「男性・女性にかかわらず、中年期までに禁煙した人は平均で10年ほど寿命が延びる」という。

 だが論文では、この結果を受け「40歳まで喫煙を続けても大丈夫」と思わないよう注意を促している。40歳まで喫煙を続けた女性がその後数十年のうちに死亡する割合は非喫煙者の1.2倍と大幅に高くなっていた。

 死亡リスクは喫煙量に比例して高まるが、「1日に10本未満しか吸わない人でも全体的な死亡率は非喫煙者の2倍になる」という。論文ではまた、研究対象の女性の大半が吸っていた「ライト」と呼ばれる「軽いたばこ」が持つ危険性も指摘されている。低タールのたばこを吸う人でも、最終的にはその半数以上が喫煙によって命を落としていた。(c)AFP