【10月18日 AFP】ドイツの小児科医師会は、米フェイスブック(Facebook)などのSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)を通じて、自分の赤ちゃん用の母乳を他人から入手しないよう警告する声明を発表した。一般的に新生児にとって母乳が最適だとはいえ、インターネットを通じて取得された母乳は赤ちゃんに有害である危険性があり、そのような手段で入手すべきでないと忠告している。

 医師会のボルフラム・ハルトマン(Wolfram Hartmann)会長は声明を発表し、「(母乳の)提供者が医薬品や違法薬物を摂取していたり、後天性免疫不全症候群(エイズ、AIDS)や肝炎などの感染症にかかっていたりする可能性もある」、「見ず知らずの女性の母乳が子どもにとって有害かどうか誰も確認することができない」と警告し、輸送中に母乳の品質が劣化する恐れもあると付け加えた。

 また声明は、生まれたばかりの赤ちゃんが必要とする栄養は、生後数週間から数か月の赤ちゃんとは異なると忠告。「ある程度大きくなった子供の母親が出す母乳の成分は新生児には適していない」と指摘し、母乳の出ない母親は子供に赤ちゃん用の粉ミルクを与えることを薦めている。

 医師会は、独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)の報道と医師会の独自調査の結果を受けて今回の声明を発表した。(c)AFP