【10月16日 AFP】車内での喫煙により、人体に有害な微粒子の量が世界保健機関(World Health OrganizationWHO)が推奨する上限の数倍に増加するとの調査結果が、15日の英専門誌「Tobacco Control」(たばこ規制)で発表された。

 調査を行ったのは英アバディーン大学(University of Aberdeen)スコットランド屋内空気センター(Scottish Centre for Indoor Air)のショーン・センプル(Sean Semple)氏率いる医師チーム。喫煙者14人を含む17人が運転する自動車の後部座席に計測機器を置き、3日間にわたり空気中の微粒子濃度を調べた。喫煙者には調査期間中、普段通りの喫煙習慣を継続してもらった。対象者たちによる延べ104回の運転のうち63回が喫煙なしで、1回当たりの平均運転時間は27分だった。

 計測の結果、喫煙しながら運転した場合の微粒子濃度は1立方メートル当たり平均85マイクログラムだった。WHOのガイドラインは、屋内の微粒子濃度の上限を25マイクログラム/立方メートルと定めている。

 運転手が窓を開けたり換気を行ったりした場合でも、微粒子レベルはある時点でWHOの基準を超えていたという。喫煙あり運転での微粒子濃度のピークは平均385マイクログラム/立方メートルで、最も高かった時では880マイクログラム/立方メートルを超えていた。

 これとは対照的に、喫煙なし運転での微粒子濃度の平均は7.4マイクログラム/立方メートルだった。

 この調査で計測されたのは直径2.5マイクロメートル未満の微粒子で、これら微小な粒子は肺の奥深くにとどまり、炎症を引き起こす危険がある。

 調査チームによれば、高レベルの微粒子にさらされた子供たちは、健康を害する可能性が高い。また同チームは車内喫煙を規制する国が増えていることを指摘し、同様の規制は子供たちを受動喫煙から守る適切な手段だろうと結論している。(c)AFP