サハラ以南での感染症拡大、HIVなどによる免疫力の低下が原因 英研究
このニュースをシェア
【10月1日 AFP】サハラ以南のアフリカで新たな感染症が拡大しており、背景にエイズ(HIV/AIDS)などの疾患によって人間の免疫力が低下している事情があるとする研究論文が、9月30日の英科学誌「ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)」に掲載された。
感染が拡大しているのは、サルモネラ菌の一種であるネズミチフス菌(Salmonella Typhimurium)の変異型。感染すると、侵襲性の非チフス性サルモネラ症(Invasive nontyphoid salmonellosis、iNTS)を引き起こし、その致死率は22%~45%に上る。アフリカで最も多く確認されており、人から人への感染が疑われている。
アフリカ以外ではこの変異型は確認されていない。一般的なサルモネラ菌の場合、感染経路は細菌に汚染された食物の摂取であってヒト間感染はなく、またひどい下痢の症状を伴うものの致死率は1%にも満たない。
英遺伝子研究機関ウェルカムトラスト・サンガー研究所(Wellcome Trust Sanger Institute)の研究者らは、変異型の細菌がヒト間感染する理由は、薬剤耐性がついた細菌が人間の体内に効率よく広がるためと見ている。
これまでの研究で既にiNTSの患者の多くがHIV陽性であることが確認されているが、今回の研究によればHIV/AIDSの他にも貧血症やマラリア、栄養失調などが体の免疫力を低下させ、感染症の拡大につながっている可能性が高いという。(c)AFP
感染が拡大しているのは、サルモネラ菌の一種であるネズミチフス菌(Salmonella Typhimurium)の変異型。感染すると、侵襲性の非チフス性サルモネラ症(Invasive nontyphoid salmonellosis、iNTS)を引き起こし、その致死率は22%~45%に上る。アフリカで最も多く確認されており、人から人への感染が疑われている。
アフリカ以外ではこの変異型は確認されていない。一般的なサルモネラ菌の場合、感染経路は細菌に汚染された食物の摂取であってヒト間感染はなく、またひどい下痢の症状を伴うものの致死率は1%にも満たない。
英遺伝子研究機関ウェルカムトラスト・サンガー研究所(Wellcome Trust Sanger Institute)の研究者らは、変異型の細菌がヒト間感染する理由は、薬剤耐性がついた細菌が人間の体内に効率よく広がるためと見ている。
これまでの研究で既にiNTSの患者の多くがHIV陽性であることが確認されているが、今回の研究によればHIV/AIDSの他にも貧血症やマラリア、栄養失調などが体の免疫力を低下させ、感染症の拡大につながっている可能性が高いという。(c)AFP