10代からの大麻常習で知能低下、回復不能の可能性も 米研究
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【8月29日 AFP】10代の若者が大麻を常習すると、知能が永続的に低下する恐れがあるとする米デューク大学(Duke University)の研究が、27日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表された。
デューク大のマデリン・マイヤー(Madeline Meier)氏(心理学)率いる研究チームは、ニュージーランド在住の1000人以上を対象に、13歳と38歳のときに行われた知能指数(IQ)検査の結果を比較した。すると、10代で大麻吸引を始め20~30代にも常習を続けた人では、IQが約8ポイントも低下しているという衝撃的な結果が出た。
「IQは概して、(加齢しても)変わらないはずなのだ」とマイヤー氏はAFPの電話取材に語り、重大な問題だとの認識を示した。IQ低下の原因に、教育の違いや、大麻以外の麻薬・酒の乱用といった別の要因と関連付ける証拠は見つからなかったという。
一方、マリフアナを一度も吸引したことのない被験者のIQは、13歳から38歳までに1%未満とごくわずかながら高くなっていた。
■思春期の吸引が大きく影響か
思春期に大麻を常習し始めた被験者らは、記憶力や集中力、即断力などのテストの結果も、吸引経験のない人に比べて悪かった。再検査の1年前(37歳時)にマリフアナ使用を減らしたり、やめたりした場合でも、常習を続けた人と同様テストの点数は低かった。
しかし、成人してから大麻吸引を始めた常習者には、知力の低下はみられなかったという。マイヤー氏は、人間の脳は思春期に発達するため、10代から大麻吸引を始めると通常の発達過程が阻害され、回復不能なダメージが生じるのではないかと分析している。
今回の研究では大麻の吸引歴だけを見ており、吸引量や吸引回数は検討材料に入れていない。大麻使用を1年以上やめた場合に知力が回復するかどうかも不明だ。
ただ、「思春期に大麻を使用するのは有害だ、ということははっきりした」と、マイヤー氏は語っている。(c)AFP/Naomi Seck
デューク大のマデリン・マイヤー(Madeline Meier)氏(心理学)率いる研究チームは、ニュージーランド在住の1000人以上を対象に、13歳と38歳のときに行われた知能指数(IQ)検査の結果を比較した。すると、10代で大麻吸引を始め20~30代にも常習を続けた人では、IQが約8ポイントも低下しているという衝撃的な結果が出た。
「IQは概して、(加齢しても)変わらないはずなのだ」とマイヤー氏はAFPの電話取材に語り、重大な問題だとの認識を示した。IQ低下の原因に、教育の違いや、大麻以外の麻薬・酒の乱用といった別の要因と関連付ける証拠は見つからなかったという。
一方、マリフアナを一度も吸引したことのない被験者のIQは、13歳から38歳までに1%未満とごくわずかながら高くなっていた。
■思春期の吸引が大きく影響か
思春期に大麻を常習し始めた被験者らは、記憶力や集中力、即断力などのテストの結果も、吸引経験のない人に比べて悪かった。再検査の1年前(37歳時)にマリフアナ使用を減らしたり、やめたりした場合でも、常習を続けた人と同様テストの点数は低かった。
しかし、成人してから大麻吸引を始めた常習者には、知力の低下はみられなかったという。マイヤー氏は、人間の脳は思春期に発達するため、10代から大麻吸引を始めると通常の発達過程が阻害され、回復不能なダメージが生じるのではないかと分析している。
今回の研究では大麻の吸引歴だけを見ており、吸引量や吸引回数は検討材料に入れていない。大麻使用を1年以上やめた場合に知力が回復するかどうかも不明だ。
ただ、「思春期に大麻を使用するのは有害だ、ということははっきりした」と、マイヤー氏は語っている。(c)AFP/Naomi Seck