【8月4日 AFP】母親の血液検査によってダウン症の出生前診断を行う新しい検査法がスイスで認可されたことが、7月29日付のスイス紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング(Neue Zuercher ZeitungNZZ)日曜版で報じられた。

 NZZ紙によれば、ドイツに本社を置く生命科学企業「LifeCodexx」が開発したこの検査は、スイスの医薬品庁である「スイスメディック(Swissmedic)」の認可を受け、「プレナテスト(PrenaTest)」の名称で8月中旬から同国国内で受けることができる。

 LifeCodexxによれば、妊婦の血液サンプルを調べるこの検査には、子宮に針を刺して羊水を採取する羊水穿刺(せんし)のように体に負担がかかる従来の検査法にあったリスクが無いという。

 スイスの健康保険協会「サンテスイス(Santesuisse)」や婦人科学会は、この検査の有効性が証明されれば、検査費用を通常医療保険でまかなえるようにしたい方針だとNZZ紙は報じている。

 だが、この検査により中絶が増えるのではないかという議論もある。16か国のダウン症関連30団体からなる国際連盟は6月、欧州人権裁判所(European Court of Human Rights)にこうした検査に対する異議を申し立てた。連盟側は「(ダウン症という)人間の条件を認識し、ダウン症や障害のある人々の生きる権利を守るべき」と主張している。(c)AFP