【7月9日 Relaxnews】ランナーなら一度は裸足で走ってみたか、もしくはガラスの破片から足を保護する程度の裸足に近い感覚のシューズを履いてみたことがあるのではないだろうか。もし実際に試したことのない人も、そういう衝動に駆られたことはないだろうか?

 最新の2件の研究では、こうした傾向を是とする結果が示されている。軽く裸足に近い感覚のランニングシューズを履き、足の前部に圧力をかけることで、けがの発生率を軽減し、より効率的な走りが実現できるという。

 クッション性のある厚いヒール部と土踏まず部分のサポートを充実させた従来のランニングシューズの場合、ランナーは通常かかとから着地する。一方で裸足や裸足に近い感覚のシューズでは足の前部から着地することが多くなる。

 研究者らによると、足の前部で着地すると足や下肢への衝撃が弱まり、究極的にはけがの発生率が減り、走りは効率化されるという。

 米ハーバード大学(Harvard University)のダニエル・リーバーマン(Daniel Lieberman)教授は、トレーニング期間中に週約65~72キロメートルを走っていた大学代表チームのランナー52人(うち23人が女性)を対象に調査を行った。69%はかかとで、31%は足の前部で着地していた。

 調査の結果、74%が毎年中程度~重度のけがを経験していたが、反復性のストレス障害はかかと派が前部派の約2.5倍多かった。研究結果は、スポーツ医学誌「Medicine & Science in Sports & Exercise」7月号に掲載されている。

 同誌に掲載された別の論文でも、裸足に近い感覚のシューズでは従来型のものより「下肢でより柔軟にエネルギーをため、発散する」ことに役立つため、そういったシューズを履いたランナーは約2~3%効率的に走ることができるとしている。

 一方で、米コロラド大学(University of Colorado)の研究者らが3月に行った調査では、従来型のランニングシューズでも裸足より3~4%少ないエネルギーで走ることができるとの結果が示されていた。(c)Relaxnews/AFPBB News