【7月3日 AFP】南アフリカで、楽しい出来事から取り残されることが不安で携帯電話やソーシャルメディアを手放せなくなる「FOMO」と呼ばれる症状を持つ人たちが若者や大人たちの65%近くに上ることが、製薬会社ファーマ・ダイナミクス(Pharma Dynamics)が2日に発表した調査結果で明らかになった。

 FOMOは「fear of missing out(何かを見逃したり取り残されることへの不安)」の頭文字をとったもの。

 FOMOの人々は、自分の知らない間に面白いイベントが起こってしまうことを恐れるあまり、携帯電話を肌身離さず持ち歩き、運転中にメールを送受信し、トイレで用足しの最中にもツイッター(Twitter)に投稿。しまいには呼ばれもしないイベントに顔を出したりするという。

 15~50歳の約3000人を対象に行われた本調査では、実に62%もの人が「取り残されることへの恐怖」を常に感じると答えている。

 また、別の電話に出るために通話中の相手を保留にしたり、デート中までツイッターやフェイスブック(Facebook)などのソーシャルメディアをチェックする人も、全回答者の3分の1以上に上った。

 ファーマ・ダイナミクスのマリスカ・フーシェ(Mariska Fouche)広報担当はAFPの取材に、FOMOはストレスをより増大させると指摘。「FOMOの症状が慢性化すると、常に無理をしてしまう。病気のときでさえも『ノー』と言えず、社交イベントや職場に出向くために、免疫系に大きな負荷がかかり、より重い病気にかかるリスクが高まる」と警告した。

 同社が今回の結果に突き当たったのは、免疫力を高めるサプリメントの需要が増えた原因を調べていてのことだった。

 フーシェ氏によれば、FOMOによる脅迫観念が、様々な面で市販ビタミン剤の売り上げを押し上げる大きな要因になっているという。(c)AFP