【6月30日 AFP】インド西部ムンバイ(Mumbai)の病院で27日、75歳の男性の目から体長13センチの寄生虫が摘出された。

 2週間以上にわたる充血や目の痛みを訴えて同市フォーティス病院(Fortis Hospital)を訪れた男性を診察したV.シータラーマン医師は、顕微鏡検査で目の中にうごめく糸状の寄生虫を見つけて仰天した。「結膜の裏側で身をくねらせていた。30年間医師をやっているが、こんな例に出会ったのは初めてだ」という。

 医師は患者のP.K.クリシュナムルシーさんの結膜に小さな穴を開け、15分ほどで寄生虫を摘出した。この手術を恐る恐る見守ったクリシュナムルシーさんの妻は現地紙に「(摘出された後も)まだ動いたり跳ねたりしていて怖かった」と語った。寄生虫はその後も30分ほど生き延びたという。

 シータラーマン医師は、これまで2~3センチの寄生虫の摘出例ならあるが「今回の長さは記録だろう」と述べた。現在、病院の微生物学者が寄生虫の種類を調べている。

 クリシュナムルシーさんの目に寄生虫がたどり着いた経路としてシータラーマン医師は、足のけがの傷口か、生食あるいは加熱が十分でない食べ物から体に入り込み、血管を通って目に至ったのではないかとみている。

 至急摘出しなければ、寄生虫は目の膜の層を突き進み、失明を生じたり、脳に達して神経障害を引き起こす危険性があったという。(c)AFP