【6月15日 Relaxnews】暗いところが恐い、などと言うと幼稚に聞こえるかもしれないが、人間は成人しても暗闇への恐怖を克服することはできず、これが大人の不眠症の原因となっている可能性があるとの研究が、米ボストン(Boston)で今週開かれた第26回睡眠研究学会(Associated Professional Sleep Societies)で発表された。

 カナダのライアソン大学(Ryerson University)の研究チームは、トロント(Toronto)の大学生を対象に、明るい場所と暗い場所でいきなり音が聞こえた場合のまばたきの状態を調べることで睡眠習慣を観察した。すると、よく眠れている学生が次第に騒音に慣れていったのに対し、眠りが浅く暗闇に恐怖心があると認めている学生は落ち着きがなく、夜間の騒音や振動を恐れてびくびくしていた。

 研究を率いたターリン・モス(Taryn Moss)氏は次のように話している。「十分な睡眠が取れない人は、ベッドを不眠と結び付けて考えてしまうため照明が消えると緊張するのではないか。こうした暗闇を恐れているが治療を受けていない人々が、実際にどれくらい存在するか知りたい」

 学会では他に、健康に良い食品を選択する脳の部位が不眠によって正常に働かなくなるといった研究や、慢性的な不眠が脳卒中のリスクを高めるといった研究結果も発表された。

 一方、夜の闇への恐怖感を乗り越える方法としては、周囲に「癒しグッズ」を置くことや、飲み物や風呂などで体を温めるなどが提案されている。(c)Relaxnews/AFPBB News