【6月6日 AFP】米エンターテインメント大手ウォルト・ディズニー・カンパニー(Walt Disney Company)は5日、米国の子どもたちの間で広がる肥満への対策として、2015年から同社が運営するテレビチャンネルやウェブサイトからジャンクフードの広告を排除すると発表した。

 肥満対策を目的とした広告の制限は、米メディア大手としては初。

 米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で行われた発表会見には、若者の食習慣改善に積極的なミシェル・オバマ(Michelle Obama)米大統領夫人も登場し、「この新しい取り組みは、子どもたちの健康をめぐる動きを大きく変えるものだ」と述べ、ディズニーの新方針への強い支持を表明した。

 ディズニーの発表によると、「ディズニー・チャンネル(Disney Channel)」「ディズニーXD(Disney XD)」「ディズニー・ジュニア(Disney Junior)」「ラジオ・ディズニー(Radio Disney)」および同社の子ども向けウェブサイトで宣伝される食品・飲料に対し、2015年から同社が定める栄養基準を満たすよう求める。同社傘下の米ABCテレビが毎週土曜朝に放映し、全米の家庭の4分の1が視聴しているアニメ番組も制限の対象となる。

 この栄養基準は、米政府の基準に沿い、フルーツや野菜の摂取を推奨するとともに摂取カロリーの制限や飽和脂肪、塩分、糖分を減らすことを呼びかけているという。

 たとえば朝食用シリアルなら、1食当たりの糖分を10グラム未満に抑えなければいけない。食品大手ケロッグ(Kellogg's)が子どもをターゲットに販売する「シュガー・フロステッド・フレーク(Sugar Frosted Flakes)」には11グラムの糖分が含まれている。

 広告制限のほかにもディズニーは今年、栄養バランスを考えた食品やメニューであることを示す「ミッキー・チェック(Mickey Check)」のマークを同社運営の小売店やテーマパークで導入する予定という。

 米医学研究所(Institute of Medicine)が前月発表した統計によれば、米国内の肥満の子どもは17%で、過去30年間で3倍に増加した。同研究所は、肥満は米国の医療サービスと生産性に「壊滅的な」影響をもたらすと警告している。(c)AFP/Robert MacPherson

【関連記事】
米国の子ども向けシリアル、多くが基準値超える砂糖を含有
カラフルな皿で肥満防止、米大統領夫人が栄養ガイド「マイ・プレート」発表