【5月17日 AFP】世界保健機関(WHO)が15日発表した報告書「WHO World Health Statistics」によると、平均すると世界の成人の3人に1人が心臓病の主要な危険因子である高血圧を患っており、発展途上国で高血圧にかかる人が増えている。

 高血圧患者が最も少ないのはカナダと米国で、患者の比率は20%未満だった一方、一部のアフリカ諸国では50%に近いと推計され、25歳以上の男性ではニジェールで50.3%、マラウイで44.5%、モザンビークで46.3%に上った。

 平均寿命が延びたことや、生活スタイルの変化により、かつては豊かな国のものと思われていた慢性疾患が途上国でもみられるようになった。

 WHOの死亡率・疾病負荷ユニットのコリン・マザーズ(Colin Mathers)コーディネーターは「われわれは感染病の影響を軽減することに成功しつつあり、子どもの死亡率も低下してきている。その結果、より多くの人々が長生きするようになり、それに伴い非感染症が増えている」と説明した。

 マザーズ氏は低所得の国で肥満や喫煙などの危険因子が増えていると述べるとともに「暮らし向きが良くなり収入が増えると、摂取カロリーも増える」と述べ、ファストフードや加工食品の普及、製造段階で加えられる塩分などが心血管疾患やがんのリスクの一因になっていると指摘した。(c)AFP