【4月2日 AFP】米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)は3月29日、自閉症の子どもの数が2年間で23%増加し、その割合は88人に1人となったと、「週間疾病率死亡率報告(Morbidity and Mortality Weekly Report)」のなかで発表した。

 調査は2008年に米国14州の8歳児を対象に実施したもので、自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ子どもの割合は1000人のうち11.3人だった。

 2002年の調査ではASDの症状を持つ子どもの割合は150人に1人だったが、今回は02年と比較して78%の増加となった。

 過去の調査では最も割合が高いときでも110人に1人だったことから、自閉症研究の主導者らは今回の発表をうけて「国家的な緊急事態だ」と訴え、自閉症の「流行」に早急に注目すべきだと警鐘を鳴らしている。

 さらに、報告書の統計によると、ASDの発症数は男児が女児の5倍で、なんらかのASDの症状を発症している割合は男児で54人に1人、女児では252人に1人だった。

 CDCは子どもの自閉症の増加、中でも3歳未満の幼児での増加について、自閉症診断技術の向上が一因である可能性を認めながらも、それが統計の全容に、どれほどの影響を及ぼしているかは不明だとしている。

 CDCのトーマス・フリーデン(Thomas Frieden)所長は、実際のところは分かっていないとしたうえで、「自閉症患者の増加は、全てが診断技術の向上によるものだという可能性はある」と語った。(c)AFP/Kerry Sheridan

【参考】米疾病対策センター「Morbidity and Mortality Weekly Report」の本記事該当レポート(英文)