【3月24日 Relaxnews】英国では過去10年の間に、肝疾患による死亡率が25%上昇した。主な原因はアルコール摂取の増加にあるという。

 英国の「全国終末期医療情報ネットワーク(National End of Life Care Intelligence Network)」がまとめた2001年~09年の統計が22日に発表された。これによると、「大酒飲みカルチャー」で悪名高い英国の肝疾患による死の3分の1以上が、アルコールに関連する肝疾患だったという。また肥満、B型肝炎、C型肝炎も肝疾患による死亡率を高める要素となっていた。

 もうひとつの傾向として、がんや心疾患といった他の主な死因による死亡率が落ちているのに対し、肝疾患による死亡率は急激に増えていた。

 英国の肝臓病患者団体「ブリティッシュ・リバー・トラスト(British Liver Trust)」のアンドリュー・ラングフォード(Andrew Langford)事務総長によると、主な死因で増加傾向にあるのは肝疾患だけ。同氏は「命を救うために」アルコール飲料の値段を上げ、高脂肪食品に課税することを推奨している。

 また、肝疾患で死亡した人の約9割が70歳前に亡くなっていること、40代での肝疾患による死が増えていること、肝疾患で亡くなる人の5人に3人は男性であることなどが明らかになった。

 さらに貧困地域と裕福な地域を比べた場合、前者のほうがアルコール関連の肝疾患での死亡率が3倍高かった。

 欧州連合(EU)加盟27か国を比較した2010年の調査は、英国を欧州における「大量飲酒の首都」と呼んでいる。EUの世論調査ユーロバロメーター(Eurobarometer)によると、英国人は常習飲酒者が最も多い国ではないが、1度に飲む酒量が最も多い。(c)Relaxnews/AFPBB News